プール
構造と種類

プールの施工-鉄筋コンクリートで作る躯体

プールの構造部分は地中にあり、工事中以外は、見ることはできません。その水に接している部分は水面下にあるので、プールの見えている部分は水面越しに見える、プールの内壁となります。それにはいくつかの種類があります。

躯体
プールの形を形成する地中に埋まってしまう壁
内壁
プールの水に接する側の壁と床 主な仕上げ材は、タイル 塗装 PVC
設備
濾過システムや水中照明

プールの構造と種類は大きく4つに分類されますので、解説していきます。


アクリル樹脂製の一体成型プール


大型のバスタブのような既製品プールで、2ⅿ×4ⅿ~6ⅿ位の製品があります。泳げるジャグジーのようなイメージです。バスタブのようなプールタブには、照明や流水を出せる吐出口が加工せれているのが特徴です。
ハイグレードモデルになると、水泳アスリートもトレーニングに使用できるほどの流水を出せる製品もあります。ただし、リゾート感は期待しない方がいいかもしれません。
購入の注意点:輸入販売がメインでサポート体制がない会社が多いので、アフターケアーに関しては要注意です。

見学させてもらったメーカーさんで、おすすめしたいメーカーが1社ありました。 :SwimEx 米国製のハイグレード流水プール


樹脂製ブロック結合型プール


デジョユプール フランス製

デジョユプール

デジョユプールの特徴

フランスにおいて出荷台数第1位のプールメーカー
W250㎜×H1200㎜の樹脂ブロック結合型。濾過機とポンプが一体式であるのと、袋状になったPVCライナーに水を入れるのが特徴。

デジョユプールの構造

デジョユプールの構造

高さ1200mm 巾250㎜の空洞の樹脂ブロックをボルトとナットで連結させて、空洞部に鉄筋と生コンを流し込み躯体を作る。縦横の自由なサイズのプールを作りやすいが、インフィニティ―プールを作るのは不可。気になる点は、樹脂ブロックの連結部分や、ステップ周りが水圧で変形しやすいので、埋戻しには細心の注意が必要。

デジョユプールPVC

デジョユプールのPVCライナー

PVCライナーは、プールのサイズに合わせてフランスの工場でオーダーしたものを使用。PVCの溶着技術が無くてもプールが作れるのは革新的です。ただし、水圧により躯体に貼りつきますが、コーナーの部分は、パンパンに張った状態になり、空洞ができます。張った状態のところは0.75㎜よりも薄くなります。先のとがったものは、絶対にプールに持ち込まないようにします。

プールメーカーとしてはパイオニアカンパニーであるが、根本的な製品トラブルも多い。袋状になった0.75㎜という薄さのPVCライナーの寿命は、当初メーカーが言っていた10年より短い。フランス国内での使用であれば何ら問題はないが、遠い海を渡ってくる日本では、完成後のサポートをしてくれる、日本の総代理店に不安が多い。

ドリームガーデン株式会社でのデジョユプールの販売は、2018年3月に終了しております。
※フィルターや破損部材の購入は可能です。


マジラインプール フランス製

インフィニティプールの施工ならドリームガーデン

マジラインプールの特徴

出荷台数フランス第2位のプールメーカー。W333.3㎜×H300㎜の樹脂系プロックを金物無しで結合させ、好みの縦横サイズに加え、300㎜単位で深さを変えることも可能。濾過機とポンプを離すことにより、水没による故障の心配がありません。
PVCライナーはW1650㎜のロールで納品されたものを、現場でカットし溶着しながら貼り付けていくことにより、コーナーの奥まで均一に貼ることができます。1.5㎜のPVCは破損の心配は不要です。
出荷台数ではフランス第2位ではありますが、先発メーカーの欠点を埋めた製品開発は、後発メーカーの強みと言えます。
日本では、プロスパーデザイン社のブランド「プールカンパニー」が総代理店

マジライン 施工

マジラインプールの構造

大きな器を背中合わせに合体させてできた樹脂ブロックを、レゴのように組み合わせて出来た空洞に鉄筋と生コンを流し込んで躯体を作ります。ボルトやナットの金物を一切使わないので、地中での腐食の心配はいりません。躯体の厚さは250㎜になり、強固な躯体を形成しますので、地中に埋めないことも可能です。
この樹脂ブロックをアレンジすることによって、インフィニティプールの施工も可能です。

プールのPVCライナー

マジラインプールのPVCライナー

地震の多い日本にとって、コンクリートのひび割れは避けられません。そんなところにつくるプールにとって伸縮のあるPVCライナーは画期的な製品です。万が一破れた箇所があっても、溶着技術により容易に補修ができます。
また、PVCライナーには様々な絵柄があり、単色やモザイク柄、石柄など好みの雰囲気に合わせてアレンジを楽しめます。

ドリームガーデン株式会社では、2018年4月以降、プールカンパニーが総代理店の「マジラインプール」のディーラーをしております。


鉄筋コンクリート製の在来工法プール

プール 鉄筋コンクリート

鉄筋コンクリート製プールの特徴

デジョユプールやマジラインプールを取り扱うライセンスが無くても、建設会社であれば躯体施工までは可能です。ひび割れのしない強固な構造が求められ、建設コストがかかります。

タイル貼りのプール

プールの内側の仕上げ

内面仕上げを、防水塗装かタイル貼り仕上げにすることが多く、ひび割れを防ぐことは不可能であり、漏水との闘いは必須となります。

鉄筋コンクリート製の在来工法プールは、50mの競技用プールで、公共工事でプールを作る際に使用される工法です。


「自宅の庭にプールを作る」ために知っておきたいこと

本記事では、プールの構造と種類について書きました。地中に埋まってしまって見えない部分ですが、長く使うプールですので、慎重に選びたいものです。次の記事では「プールの大きさと形状」について詳しく解説します。